トップページへ (1)方証相対と弁証論治 (2)昭和末期の漢方医学の一般的な学習方法 (3)中医学基礎と漢方医学基礎
(4)両医学におけるにおける臨床実践上の虚実論の比較 (5)漢方医学(日本漢方)における虚実論における錯誤
(6)中薬学に比べてあまりにも見劣りがする漢方薬学 (7)漢方医学における方剤学 (8)漢方医学に将来はあるのか?
(9)中医学の優越性 (10)日本漢方(漢方医学)の将来のために (11)追記 (12)文献 相互リンク集

   

追記


(追記1)

 中医学を今から本格的に始めようとされる方に是非、お奨めしたい書物としては、(文献①)の張瓏英先生著作の「臨床中医学概論」がある。日本漢方からなかなか中医学に転向出来ずに悩んでいる方には特に最高の書籍であると思う。私にとっては久々に目からウロコが本当に落ちてしまったくらいである。一般の中国語の原書や翻訳書では決して知ることの出来ない中医学マスターのコツが随所に書かれている。何はともあれ御一読を!

(追記2)

 最近ある機会から、中医師のT氏に親しく御教示を賜る光栄に浴した。氏は中国に四十年間在住し、後半の二十年を中医師として過ごされた。六年前に帰国され、現在はM社の対中企画室に勤務されておられる。氏のお話で特に印象深かったことは、「二十年間の診療中、一度として同じ処方を投与することはなかった。」どんなに似ている病人でもそれぞれに特殊性があるのだから(文献⑧)「日本漢方のように定型処方だけで病人を治療するのは原則的に言えば、決して正しいことではない。そんなことでは中国で一般の人が薬屋さんに行って中成薬を買って服用するのと同じレベルですよ」と言われたことであった。

 とは言え、日本には様々な事情から自在な処方が作れない。原料の中草薬の問題は一昔前と違って各漢方生薬メーカーさんに注文すれば殆どのものが入手可能ではある。ところが医師の場合は湯液治療までは手が伸ばせない方も多く、為に保険漢方で扱える範囲のエキス剤しか使用出来ない。薬剤師の場合は湯液やエキス剤の加減をすることが出来ない等の制約がある。
 ところが私の拙い経験から言えば、既成の処方エキス剤や薬局製剤できめられた範囲の煎剤でも、中医薬学的思弁を活用することは、かなりなところまで可能であると思う。

 但し、T氏が言われる、「二十年間に一度として同じ処方を投与したことはなかった」との正統な中医学の{実際処方}の在り方を忘れてはならない。それほど中医学は奥深いものであろうと思う。
 従って我々は中医薬学をたゆまず学習し、これに漢方医薬学知識を吸収合併させることで、「中医漢方薬学」を新たに創造して行けば良いではないかと考えている。ここに、ものまね上手な日本人の持前の器用さを発揮する時と場所があると愚考している。(文献⑤)(文献⑧)


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